「信ちゃんに戻るしか千歳くんを守る方法がなかったんだよね?」
深く頷く美海の変わりにマナが涙を流していた。
「また一から信ちゃんの事を好きになろうと思ってる。最近は一緒にいる時間が長かったから、良い所もたくさん思い出してきたし…」
「美海が考える事、美海が思う事、それをマナ達が応援しようって決めたんだ。美海を支えようって」
泣いているせいか、声が上擦っている。
でも必死に美海に伝えようとしているのはわかる。
「だから、何かあったらちゃんと報告してほしい」
軽井沢で何かがおかしいと感じた浅見は、少し睨むように真っ直ぐ視線を向けた。
それでも美海は何も話さず、
作り笑いをした。
大丈夫、それだけ告げ目を泳がせた。
その姿を3人が見逃すわけもなく、
何を隠しているのかを勘ぐった。
「我慢出来なくなったら言えよ」
煙草の煙を美海の顔に吹きかけながら
果南が笑顔を見せた。
その笑顔が無理矢理作った笑顔なことくらい、
美海にもわかっていた。
3人が何かに気が付いている事もわかっていたが、
どうしても話す事は出来なかった。


