「あの日、迷惑掛けて悪かった。本当にごめん」
頭を下げる信吾の姿を全員が驚いていた。
「もう俺と美海は大丈夫だから」
その言葉に美海は顔を歪ませた。
どこが大丈夫なのだろう。
こっちに帰って来て2日ぶりに会う信吾はやけに静かで、
美海に触れようともしてこない。
会話もろくにせず、飲み会は始まった。
どこが大丈夫なのか
美海にはさっぱりわからなかった。
話しを流すように浅見が同窓会の話しを持ち出した。
昨日たまたま会った同級生に同窓会がしたい、
と持ちかけられたらしい。
「8月中にやりたいらしくて、月末がいいかなって」
「いいんじゃん?2年生の時のクラスだったら4人で行けるし」
高校時代を思い出し、
昔話で盛り上がる。
興味を持ったのか亮介が話しを聞き入っていた。
「信ちゃん?元気ない?」
「ううん。ごめん、心配した?」
「うん、何か変だよ」
苦笑いを浮かべ、信吾はグラスに残ったビールを一気に飲み干した。


