まだ酒を飲み続け、
明けない飲み会が続く。


さすがに出掛けないだろう、
と信吾もビールに手を掛けた。


全員が煙草を吸う事もあってか、
天井に煙りが溜まっていた。


換気扇を回しに、台所に向かい立ち上がる美海の手を引いた。


「俺と美海もお前らが帰る日にここ出るわ!」


何を思ったのか言葉を言い終えると
美海の手をすぐに離した。


「どうしたの?急に?」

「レポートとかもあるし、早めに帰った方がいいだろう」


台所に立ち、
指を折りながら日にちを数えた。


もうここに13日もいる。


開放される。

信吾の作った檻から開放される。


安心しすぎて、1人で笑みを浮かべる。


「果南もマナも、もうすぐ帰ってくるし、4人で遊ぼうね!」


ソファーに腰を掛け、浅見がビールの缶を上げながら美海に声を掛けた。