それからほぼ毎日。

千歳とのメールのやり取りが続いた。


-美海はどんな歌が好き?-

-俺も好き!合うねー。好きな場所は?-

-やばい!俺も一緒!すごいな。-


お互いを知るための探り合いのメール。

知れば知るほど気の合う千歳。


メールじゃ修まりきらなくなった会話に、
ついに美海は最初に教えてもらった携帯番号を押した。


10分悩んだ末に押した通話ボタン。


美海の耳に残る、
低い優しい千歳の声。


「ち、千歳?美海だけど」

「知らない番号だったから焦った!おー!電話してくれて嬉しいよ」


緊張で言葉の詰まる美海を気遣ってか、
千歳は会話を弾ませてくれた。


会話がとぎれない様に、
常に話題を出してくれた。


「美海、俺と話してて楽しい?」

「うん!すごく!」

「ホント?良かった!俺もすごく楽しい!」


思わず顔が緩んでしまう。


こんな顔最近信吾の前では出していなかった顔だ。