手を差し出す信吾に躊躇し、 涙で濡れた手をワンピースでふき取ってから手を取った。 久しぶりの人肌だった。 久しぶりに信吾の手を握った。 優しく包む信吾の手が 異常な程冷たくて 美海は手に恐怖心を抱いた。 いつも温かい信吾の手が冷たい。 本当に珍しい事だった。 どんなに寒い日でも 信吾の手だけは必ずと言っていいほど温かかった。 「信ちゃん、手冷たい」 「あれ?なんでだろう」 おどけるように答える信吾の手を離したかった。 やっぱり信吾は まだ何かがおかしい。