信吾の携帯は次は『マ行』で止まる。
決して言葉には出さなかったが
やっぱり果南は最後なんだ、
と思った。
「マ、マナ?あたし…」
間が空き、
その直後に鳴き声が聞こえてきた。
「美海だ!美海の声だ!」
あの日、マナはあの場にいなかった。
狂いきった信吾を見ていない。
狂気する美海を見ていない。
唯一の人物。
「果南と浅見から話は聞いたよ。何も考えなくていいよ。3人で色々話したんだ。だから早く帰って来て。マナ達の話を聞いてほしいな」
慌てる様子もなく、ゆっくり優しい声でマナは一つ一つの言葉を美海に向けた。
浅見と同じように携帯が壊れた、という事を最後に信吾が告げ電話を切った。
そして溜め息を付きながら携帯をいじりだす。
『カ行』の2番目に表示されている名前で手を止め、
また信吾は溜め息を付いた。


