美海の手から携帯を引き剥がし、
自分の手の中で収めると
信吾は広げたままの携帯をそのまま折った。
「ちょっと!」
無惨な姿で可哀想な音をたてて
壊れてしまった、
違う、
壊されてしまった携帯を見て美海は信吾の胸元を軽く叩いた。
「何するの?3人が心配してたくさんメールくれてたのに!」
「3人だけじゃなかったでしょ?」
顔を上げると
信吾はあの凍るような目をして笑っていた。
口の端をきつく結び一歩身を引く。
そのまま美海の肩に手を置き、「大丈夫、新しい携帯買ってあげる」と優しい口調でなだめた。
でもそれはなだめでもなく
ただの脅し。
「果南と浅見とマナとはちゃんと連絡取れるようにしてあげるから。あと両親とお兄ちゃんくらい?」
考え事をするように目を上に向け、
言葉を言い切った後に真っ直ぐ美海を見つめてくる。
「そ、そうだね。それで充分だね」
もうこのセリフ以外言ってはいけないと
信吾の顔に書かれていた。


