「千歳!!」
「美海!どうしたの?急に」
美海は息を切らしながら事情を説明し、
千歳にしがみついた。
「そっか。でも信吾らしい人は大学近辺にいなかったよ?」
「とりあえず家にもう帰ろう!ね?」
千歳の手を握り、美海は駅の階段を下りた。
「美海も心配だから家にいなよ。まだ誰も帰って来てないし」
「あたしは大丈夫。果南に電話して迎えに来てもらうし」
電話をしようと思い携帯を開くと浅見からのメールだった。
佐野が今病院に着いて、マナが付き添っていること。
果南と浅見と亮介が今こっちに向かっている、と簡潔にまとめられた内容だった。
「電話しなくても、もうこっちに向かってるらしい」
「いい子たちだね。みんな美海が本当に大事なんだよ」
笑顔で返す千歳にやっと緊張が解け、美海も笑った。
千歳の手が温かい。
安心する温かさだ。
いつものぬくもり。
美海の大好きなぬくもりだ。
手を繋いで千歳の家まで歩く。
初めてこんな堂々と千歳の地元を歩いた。
もうすぐ、
もうすぐ2人は形が出来る。
やっとカップルと言う形が出来る。


