駅でタクシーを捕まえ美海は千歳の家まで指示をした。
「急いで!急いでください!」
緊迫した様子を察したのか
運転手は無言で頷き車を飛ばしてくれた。
携帯をきつく握りしめ一点を見つめた。
最悪な事態が起こらなければいい。
千歳が無事ならそれでいい。
美海の頭の中はその事でいっぱいだった。
青ざめた美海の顔を見て運転手が飴をだしてくれた。
血の気の引いた美海は今立ち上がったら倒れてしまいそうだった。
飴を口に含み
深い呼吸を何度もした。
指先の冷たい手の中で携帯が震え
急いで美海は耳に当てた。
「どうしたの?うん、わかった!じゃあ駅にいて」
千歳にどうしても用があるから駅にいるという電話を受け、
行き先を変える。
千歳の家は駅から5分ほどだ。


