「ハル、聞いてる?

冬馬くんに話せた?」



少し心配そうに聞くアキ。



「う、うん。話せたよ。

ごめんね、アキには言わなかったのに。」


正直に、言ってしまった。


いくら、離れてしまうからと言っても、自分の言葉で言わなければいけないと思った。



私の言葉を聞いて、息を呑むアキ。



「...ハル、そんなこと気にしてたの?」


「えっ?」


「しょうがないでしょ、そういうのは。

そりゃ、話して欲しいなとは思ったけどね。

でもさ、女子とか近い存在の友達には知られたくない事だってあるよ。
誰にでも、ね。」


にっこりと笑って言うアキ。



あぁ、私は、なんていい友達を持ったんだろう。


私は、なんて幸せなんだろう。


私は、こんなに素敵な友達に、悩みを相談することだってできないの?


ううん、


「できるよ。」


「ん?」


「言えるよ。言える。

だからさ、昼休みとか、放課後でもいいから、話を...聞いてくれる?」


「...いいの?」


恐る恐る聞いてくるアキ。


「うん。」


アキの不安を振り払うみたいに、私は勢いよく言った。