はぁ、疲れた。
男の子って歩くの早い?
今は急いでたかもなんだろうけど、常に大股なイメージがあるんだよね
追いかけるの大変。
「で?どうしたの」
近くのベンチに座って、息が整った私を見て、早速本題に入る冬馬くん。
「えーと、ね、
私の友達の話だよ?」
なんでか、冬馬くんに聞かれると答えなきゃいけないような気がしてくる。
これは、好きになった弱みかな、
それとも、冬馬くんにそんな力があるのかな。
私の話を黙って静かに聞いてくれる冬馬くん。
つい余計なことも話しちゃいそうで困るなぁ
「中学の時、いじめられてたんだって、その子。
いじめって言っても、無視とかで、殴られたり、蹴られたりとかは無かったらしいんだけど。
それでね、高校に入って、普通に友達が出来たんだって、とってもいい友達。
一緒にいると楽しくて、幸せになれる友達。
で、その子は、高校で好きな人が出来たんだって。
その人もいい人で、困ってる人を、泣いている人を助けられる人なんだって。
でも、いじめられたことがあるその子は、この関係を崩したくないって、困ってるの。好きって伝えたら、壊れるじゃない、何かが。
それが、怖いんだって。」
恐る恐る。
恐る恐る言ってみた。
私の友達の話。じゃなくて、私の話。
もしかしたら、バレちゃってるかな、それは無いよね。

