*後日*


「ねぇ、ハル、最近どうしたの?
元気ないけど」



心配そうな顔で見つめてくるアキ。



「い、いや、なんでもないよ。
勉強出来ないことを改めて思い知ってただけだから」



適当な言い訳をして真っ直ぐなアキの瞳から逃れる。



こんな真っ直ぐで、優しい友達に、私のことなんか言いたくない。



勉強のことも、私が元気ない理由にはなってると思うけど。



私の返事を聞いたアキは、私をしばらく見つめてから、弾けたようにこう言った。



「そう...。

ハルに異常がないならいいや~
勉強出来ないのなんていつもの事だもんねっ!」



「なんだとぉ~?
アキに言われたくない~!!
アキだって私と学力変わんないじゃん!」



「そうだけど~
でもやっぱ、私の方が少しだけ頭良いじゃん?」



「んな!?
なわけないでしょ!私の方が少しだけ頭良いし!」



「ちょっとアキ達~、あんた達はどちらにせよバカなんだからどんぐりの背比べやめなよ~」



「「なんだと!」」


果てしない言い合いを続けていると、

私たちの会話を聞いていたクラスメイトたちが言って、2人で同時に反論。



「仲良すぎ~!」


と言いながら笑うクラスメイト達の言葉を聞いて、胸がくすぐったくなった。





こうやって、楽しくいようよ。



私の暗い話なんか、どうでもいいよ。



明るいほうが絶対楽しい。