「ねぇ」
ずっと黙ってた紅葉さんが口を開いた。
「何?
どうしたの、アキ」
「なんでさあ
価値を他人に決めつけられなきゃいけないの?
知佳。」
知佳(ちか)と呼ばれた女子は顔をひきつらせる
「な、なんでって
そうじゃない?
友達のいない桜坂さんと人気者の海城君は合わないよね?
2人が幼馴染みとか人気者の海城君の株が下がっちゃうじゃん
可哀想だと思わない?」
同意を求めるようにして周囲を見回す知佳さん。
「だからなんで
よく知りもしない桜坂さんの事を悪く言って、
可哀想とか決めつけるの?
可哀想なの?
ナツキ君はそんなに嫌そうな顔をしてた?
嫌々一緒にいる風には見えなかったけど
可哀想ってそれは知佳の意見でしょう?
なんでその意見を本人に聞こえるように言うの?
タチ悪いよ、知佳
そんな事言われたら
相手が嫌な気分になるってわかってるでしょ
それをわかってるでしょ?」

