ドS彼氏と地味彼女

ゼェッゼェッ。

走り始めて5分が経過した。
既に私のこめかみからは体力の汗が流れていた。首元もビッショリ濡れている。髪の毛なんて、まるでお風呂上りのようだ。お腹も足も熱くてかゆい。

と、急に葉月が自転車を止めた。

「実子。今から一つ目の坂あるけど、大丈夫?」

は・・・?さ、坂さっきなかったっけ?

「え、まさか実子。あれ坂だと思ったわけ?」

私の考えを見越したように葉月は言った。

しつこいようだが、私の前にいる人は鬼である。