碧維side






バイトの最中西園寺さんに借りたボールペンが目に付いた





確かに貸してくれたのは助かったけど、これどうやって返そう






俺はボールペンを手に取り、眺めた






「碧維!!なんだそれ、ピンクのボールペンなんてもって。気色わりい!!彼女からのプレゼントか??」






バイト先の先輩がにやにやしながら俺を見る






俺はため息を着きボールペンをポケットにしまった






「違いますよ。彼女なんていませんし。必要もないですし。」







そう言うと先輩はひきつった表情を見せる





「ったく、可愛げのないやつだな!!おまえ、見た目はモテそうなのにな~!!もったいね~!!もしかしてお前ゲイかよ??」





「んなわけないですよ。」






先輩は疑ったような顔をして俺を見る





「じゃあ、どんな子がタイプなの??」






そんなことを急に聞かれ
不意に頭に西園寺さんの顔が浮かんだ





いや、何でだよ。





「いや、タイプとかよくわかりませんね。」






そうてきとうに答えると
「やっぱお前ゲイなんだろーーー!!言っとくけど俺は男は無理だからな~!!」






バカなことを言っている先輩のことを無視して
俺は仕事に戻った




タイプか…







確かに西園寺さんは誰が見ても可愛い部類に入るだろう
世界のランキングにランクインしてるらしいし当たり前か







華奢な体に
小さな顔
きれいな黒目の大きな目
輪郭も鼻も口も
誰もが認めるほどきれいで




髪の毛までつるつるで触りたくなるような栗色のセミロングの髪型





完璧ってこういう子のことを言うんだ
そう思った





それに加えて金持ちって、
なんつうか、こういう人って絶対性格歪んでるんだよな





全てを手にして
何も不満もないんだろう







なんつうか。そういう奴って苦手だ
あまり関わりたくない




そう思ってた