格差恋愛



私はハンバーガーを食べながらチラチラと碧維君のことを見る





前髪の隙間から見える真剣な表情
胸がきゅってなってハンバーガーも飲み込みにくくなる






こんな時に限って少女漫画のシーンを思い出してしまって
目の前にいる碧維君をみて余計ドキドキする






ダメだ、このまま黙ってみてたら一人で勝手に妄想してしまう






「あ、あの。碧維君はお医者さんになりたいんですよね??」





「ん?あぁ、そうだけど?」





碧維君は目を下に向けながら答える





「いつからなりたいって思っていたんですか??」






「小学校のころからかな。」






「小学校から!!すごいですね!!」






そんな私の言葉に碧維君は顔を上げる





「西園寺さんは行く大学とかは決まってるの??」




「はい、今の学校の付属の大学にそのまま進学する予定です」







「ふ~ん。やりたいこととかはないの??」





そんな言葉に私はしばらく考えてみたけど何も浮かんでこなかった






「今は特に…」






「この前も言ってたけど、本当にお金持ちのお嬢様って親が決めた人と結婚しないといけないんだね」






碧維君は私の目を覗き込むように見る
私は思わず反らしてしまう





「そう言う場合ももちろんあります。でも私は家族の力になれるならそれでいいと思ってるんです。大切な家族が選んだ方なら私もきっと好きになれると思うので。」






本当に今までそう思ってた






なのに自分で言っていて、もやもやとするのはなぜ??







「へ~。学校も習い事も結婚相手まで自分の選択肢はないんだ。今まで自分で決めてやったことってないの??」






「まだ…ないかもしれないです…」






「まあ、それが当たり前なんだもんな!!でもそれってつまんなくないの??自分の足で歩いてみたいって思ったりしないの??」







私は何も答えられなかった







そんなこと考えたこともなかったし
考える必要もなかったのだから





「あ、ごめんもうこんな時間か。俺、バイト行かなきゃ。これ、ありがとう」






そう筆箱を手渡そうとしてくる碧維君





「よかったら今日一日それ、使ってください!!バイトでもペンとか必要かもしれないし…今度返してもらえればいいので!!」