男子と会話はできません


こんな早い時間に来ている人は少なくて、静かな廊下を歩く。


「羽麗、おはよう」と後ろから明るい声がして驚いた。


実咲ちゃんだ。


わたしは、振り返ると「おはよう」が言えなかった。


実咲ちゃんのロングヘアがボブくらいに短くなっててびっくりしたから。


「どうしたの?」


「イメチェーン」


「すっごい可愛いけど……でも……」


「本当に?可愛い?あたしも長い髪よりボブのほうが似合ってるんじゃないかなって気はしたんだ」


「えっ。ちょっと待って」


だって実咲ちゃんは、鮫島先生が長い髪が好きだからといって伸ばしたんだ。


一生、切らないなんて冗談で言ってた。


サラサラのロングの髪は本当に綺麗だった。


「本当、一年間何やってたんだろうね。無駄だった。ボブにしてたら彼氏今頃いただろうな、なんてね」


唇を強く噛んだのは泣かないようにしているから。


少し瞳が潤んでいたから、そう思った。