バスが来て、スーツの大人や色んな制服の高校生が乗り込む。


終着点は地下鉄の駅だから、出勤、通学の人でごった返す。


無理だろうな。隼人くんの近くに行くの。


どうせバスの中じゃ渡せないから、いいのだけれど。


数人あけて乗り込むと車内は人がいっぱい。


だけど手すりを掴んでいる隼人くんが入り口近くの優先席の前にいて、自然とわたしと目があった。


「おはよ」


「おはよ」



隣に並ぶことはなかったけど同じ時間に同じバスに乗る。


ふと視線を遊ばすと、隼人くんがいる。


それだけですごく胸が、くすぐったくなる。