『話があるんだけど』
わたしは隼人くんに呼び出されて、待ち合わせの橋の前まで歩いていた。
付き合ってる子同士の『話がある』はきっと『今から別れ話するから、覚悟しててね』という優しさのようなものしか浮かばなかった。
頭には、もう好きじゃなくなったとか、信じられなくなった、とか科白がリフレインする。
橋の前に着くと、隼人くんはもう待っていて、わたしは無言で駆け寄った。
隼人くんも緊張していたのか、何も言わないで足を進める。
河川敷の階段に腰をおとすと少し心が落ち着いてきて、気のせいかもしれないなと考え直そうとしたときだった。
隼人くんは、
『友達に戻らない?』
と、真面目な顔で言った。



