男子と会話はできません


「またゆっくり話しようね。あとバドの応援きてね。わたしのも」


「うん。行けたら行くね」


彩子はなんだかたくましい。変わらずの姉御肌だな。


隼人くん待ってるかな。


それにしても、本当に暑い。


隼人くんの待っている場所へ引き返すと、彼に声をかける男の子が視界に入った。見覚えのある顔だった。


同じ中学だった……井上くん。


あ。


嫌だな。


嫌なこと思い出してきちゃう。本当に。


井上くん、そういえば東高だったっけ。


話してるのだって不思議じゃない。隼人くんと同じ陸上部だったってことは覚えてるし。


……なんか目眩するかも。


一瞬、視界がぐらりと揺れて真っ黒になった。