「ていうか、あれ江野?嫌だね。目立っつー」
と、奥にいる彼を見つけて忌々しそうに眉間にしわを作る。
「彩子、顔」
「ああごめん。わたし、江野見ると念力送りたくなるんだよね。
……もう大丈夫なの?
最近全然連絡とってなかったけど、高塚のこと気にはしてたよ」
そう。別れてから彩子はいつもわたしのことを心配してくれた。
彩子が隼人くんのことを毛嫌いしてしまったのも、わたしが相談なんかしたせい。
隼人くんは、悪くないのに。
「うん。もう大丈夫。友達」
と笑って言った。
「友達?本気で?」
彩子と一緒にいた女の子数人が、「あの人何年生?めっちゃかっこいいんだけど」と、わたしに聞いた。
あの人とは、隼人くんのことで、わたしが上手く言えないでいると、
彩子が代わりに
「彼女いるみたいだから、やめといたほういいよ」
と、サラリと嘘を吐いて彼女たちの気持ちをあっさり沈ませた。



