「にけつ?」 「高塚が嫌じゃなかったら」 「お……重いよ?」 「知ってる」 「知ってるって……ひどい」 そう言うと笑った。 自転車の後ろにまたがった。 「ちゃんと掴まってて」と言うと、車輪は回りだした。 あんなに避けてたのに、この距離感はない。 距離感はないけど……。 ないから、夢みたいだと思った。