驚いた。


だってこの前やっと話せたけど、あれから会話らしい会話は出来なかった。


だから顔を見合わせて話すことや、ましてや話しかけられたりなんて、想像もしていなかったんだ。


「パ……パンクしてるかな」


タイヤよりも、わたしの頭の中がパンクしてた。


わたしの自転車の後輪を指で押し、「やっぱりパンクだよ」と言う。


「他にチャリある?」


「これしかない」


東高に行く為には一回電車に乗って大きいバスプールのある駅まで行ってバスに乗らなくてはいけなかった。


すごい遠回りで、明らかに遅刻。


どうしよう。


というか、今も隼人くんに迷惑をかけてしまってる。


「にけつする?」って、隼人くんが言った。