男子と会話はできません


ウレイちゃんとはクラスが遠くて話すきっかけもないまま、中庭でお昼のサンドイッチを頬張っていたり、廊下や昇降口を歩いているところを見かけるくらいだった。


俺と同中だった石川とは仲が良いみたいで、キラキラした笑顔を向けるときもあった。そんなときは、急に日焼けした肌みたいに、なんだか全身がくすぐったくなった。


二年生になっても相変わらず心はモヤモヤしていて、遠くのくもり雲を眺めているような感覚は消えない。


たまにちょっと考えた。好きなのかと。


でもどう考えたって一目惚れじゃねーよな。


最初、恐かったし。


つうか何度も見かけてるから一目どころじゃないか。


でも結局、中身なんか何も知らないってことは一目惚れとあまり変わりない。


だから、よくわかんない人を好きになるわけなんかないんだ。


そんなとき転機が訪れた。


バスケの練習中、体育館の入り口にウレイちゃんがボールを持って困った顔で立ち尽くしているのを見つけた。


話してみたい。


ボールを受け取りに駆け寄った。