「ううん。かっこ良かったよ。一生懸命やってる姿、かっこ良かった」
「はっ。どこが?」とバカにするように笑った。
「うん……勝負の世界は勝ち負けあって当たり前かもしれないけど、かっこよさは勝ち負け関係ないから……それに」
言葉をためた。緊張してるから、今日もたどたどしい口調になるけど、やっぱり伝えたいんだ。
「それに、羨ましかった。わたし、中学のときの部活、試合すら出れなかったから。練習も段々嫌いになっちゃったし……最初から気持ちの面で自分に負けてたんだなって、思った。
だから、ちゃんと勝負して負けた気持ちを知れることって、やっぱりすごく羨ましいし……かっこいいと思ったよ 」
市ノ瀬くんは、黙ったままわたしを見つめて、視線を外した。



