「それって……」
「どうしてだと思います?」
そんなの、ひとつしか理由が浮かばない。
「付き合ってるってことだよね?お祭りに一緒に行ったんだもんね。そっか、やっぱりそうなんだ」
「お祭り?なんで知ってるんですか」
「友達が、地元のお祭りで手を繋いで歩いてる若槻さん達を見たって言ってたから」
「そう。見られてたんですね。
じゃあ今日はわたしと行実先輩が付き合ってるってわかりながら来たんですか?すごい神経ですね。
もしかして、それでも勝算があると思って会いに来たんですか。自信ないようなこと言いながら、先輩ってすごい自信家だと思いますけど」
なにも言い返せなかった。
自信家だとは思わない。だけど、心のどこかで少しは可能性があるかもしれないなんて気持ちがないとは言い切れなかった。
手は繋いだけど、付き合ったとは限らないと。
だから、来れたんだと思う。
でも、キスしたって、それって……。



