ははっと笑った。それから、真面目な顔になった。


「もし羽麗ちゃんと付き合ったら、しばらく俺はお前と話さない。話せない。ほら、俺はお前と違って、大人じゃないからな。ざまーみろ。寂しいだろ。俺と話せなくなって。泣けばいい。俺の存在の大きさを知ればいい」


「そんなに寂しく……」


「うるせーよ」と、肩をちょっとすくめると「それくらいいいだろ?」と、独り言のように呟いた。










夏休みになり、一週間ほど過ぎた。終業式の日、夏祭りに行こうと誘ってみたけど、その返事はなかった。数年かけたことのない、彼女の番号を表示させ、電話をしてみるけど、応答することなく留守電に切り替わった。


折り返しもなく、なんとなく、思った。


高塚にまた避けられるんじゃないかって。高塚の行動や言動を悪く受け止めてしまう。