男子と会話はできません




家に帰って、ベッドで寝そべっていると、羽麗ちゃんから折り返しの電話があった。


「あ、もしもし」


「もしもし。ごめんね。電話気付かなくて」


「ううん。今何してた?」


「今?家にいたよ。幸子さんと遊んでた」と、犬の名前を口にした。ほっと安心した気持ちになり、くだらない会話を続けた。


「そういえば」と、思い出した様に言った。本当はこの話を言いたくて、電話したのに。


「ん?」


「本人に訊いてないから、わかんないんだけど。隼人、羽麗ちゃんの友達に告られたらしいね。あの実咲って子?」


「え?告白?」


「羽麗ちゃんも聞いてないんだ?」


「うん」


「告ってるとこ見たって話だけだから、まあどうなったかわかんないけど。冷やかしで訊くのもあれだから、聞いてない」


「そっか」


「うまくいけばいいと思ってる?」


「それは、思ってるよ」


はっきり答えてくれるから、「良かった」と言えた。そんな一言が聞きたくて、電話するなんて、本当に自分は小さい。