男子と会話はできません


『江野は別れてから、ずっと高塚のこと好きだったはずだよ。

より戻したかったんだと思う』


彩子の言葉が、またわたしを意識させるから隼人くんの言葉まで思い出してしまう。


『あのさ高塚、急にこんなこと訊くのもどうかと思うんだけど……中三の頃、橋本から変なこと言われなかった?俺と話さなくなる前とか』


『俺のこととか』


隼人くんは、気付いてたのかな。


彩子の嘘で、わたしが誤解してたってこと気付いてたのかな。


なんで、あのとき、そんなこと確認したんだろう。


終わったことだから、気にしなくていいはずなのに。


『後悔してるよ。ずっと』


『高塚と別れてから』


『あのさ、高塚が別れてからも、そうやって気にかけてくれていたことに気づいたとき、俺がどんなに嬉しかったか、わかる?』


隼人くんが、嬉しかった理由。それって……。


ううん。本当に、何を考えてるんだろう、わたし。


「あっ……あと市ノ瀬くんに相談してみるね。それが一番良いもんね。教えてくれて、本当にありがとう」と、それ以上、会話を続けていられなくて、遮るように彼の名前を出した。


どきどきしてる。もしかしてとか考えて、勝手に自分をどきどきさせてる。


そんな自分が嫌だったから。