男子と会話はできません


気まずい空気のまま、縁側に移動して腰を落とした。隼人くんは、足を投げ出す。綺麗な庭が広がって見えるけど、心はそこに移らない。


「転んだんだって?」と、隼人くんは訊いた。


「うん」


「よく転ぶね。おでこもぶつけるし」と、さっきのことを思い出したのか笑った。


「そ……そうだよね。本当に恥ずかしくて……ごめんなさい」と、額をさすった。


「あんな風に怒るの普通だと思うよ」


不意打ちだった。気まずいと思っていた学校での出来事を優しく言うものだから、顔を上げてしまった。隼人くんと目があった。穏やかな、ほっとするような表情だった。


「ごめんね。なんかひとりで怒って。えっと、あまり聞かれたくない話だったから、ついあんなこと言ってごめんなさい。それと実咲ちゃんのこともあんなタイミングで言って、ごめんね」


謝ると改まったように「あのさ、余計なことだったら、怒って」と、言った。


「え?」


「迷惑だって、言って。もうしないから」


「うん」