家に帰ってから隠していた体操着をテーブルの上に広げた。
捨てるタイミングを見ていたら、捨てれないでいたんだ。
早く捨てなきゃ。
隼人くんにも謝らなきゃ。
さっきの出来事を思い返し、冷静になればなるほど、恥ずかしさでいっぱいになる。
なんか、心がぼろぼろだ。この体操着みたいに、ハサミか何かで切られたみたい。仰向けに寝転んだ。
市ノ瀬くんの笑った顔がぼんやり浮かんだ。
そういえば、体操着のこと、話してない。
あの子達がしたのか、確信も持ててないのに、相談して大丈夫かな。
突然扉の開く音がして、起き上がった。ママだった。慌てて身体を前のめりにして隠した。
ママはどうしていつもノックしないんだろう。
わたしにだって、ママに知られたくないことだってあるのに。
「あ、なんか隠した?」と、わたしの腕の下には何か楽しいものがあるかの様に訊く。
「隠してない。なに?」
「なーんか怪しい」と近づく。隠しきれなくて、体操着の袖がはみ出していた。
「体操着じゃない。洗濯するの?」と、袖に触れた。
「違う」と、慌てて引っ張ると、ママは顔をしかめた。



