「隼人くんには関係ないし……実咲ちゃんに、誤解されるから、やめてほしいの。そういうのすごく無神経だよ!」
ついムキになって言ってしまった。実咲ちゃんの話は、言わないつもりでいたのに。言わないでって言われたのに。
どうしようと思っていると、「おう隼人」と、わたしの背後から明るい声がした。隼人くんの友達だった。
……助かった。
安堵すると同時に、「ごめんね。先、行くね」と、足早に渡り廊下を歩いた。
だって、困る。友達なのに、わたしの為に怒るって、困る。実咲ちゃんがいるのに、わたしの為に怒るって、困る。
だって、もしも、あのとき、隼人くんを無視しなければ、もう一度、隼人くんと話をしていれば……。
穏やかに並んで歩いてる姿が思い描けてしまうんだ。
彩子があんなこと言うから。
彩子が。
ううん。
ただ。
戸惑いたくないから、優しくしないでほしかったんだ。



