インターフォンが鳴った。
「はあっ?」と市ノ瀬くんが気の抜けた声を出す。もう一度インターフォンが鳴った。
「ごめん。ちょっと見てくるから」と、部屋を出ていった。
キスされるかと思ってしまった。でも一緒にいたらそうなるのも、自然だし。まだしてはいけないなんて思っているのは、わたしだけなのかもしれない。
そうなったら……大丈夫かな。できるかな。想像するだけで恥ずかしいけど。ひとりでバクバクいう心臓に冷静になってと指導をしていると、騒がしい声が近づいてきた。
「だからなんで家に入るんだよ」
「いいじゃん。こういうときじゃないと、遊べねーんだし」
ドアが開くと、市ノ瀬くんの友達なのか、同じ制服の男の子がいた。後ろから別の話し声がするから、もう何人かいるみたいだ。
「あ。彼女来てたんだ」と、わたしを見ると、ばつが悪そうな顔をした。
「だから帰れって言っただろうが」
「メールしたけど、返事こないから行っていいものかと思ったんだけどな。読み違えたか」
「お前はどんだけポジティブ思考なんだよ」
「お邪魔していい?」と、男の子が訊くから、頷いた。
部屋の中にひとり、ふたりと入ってきて、いちばん後ろに隼人くんがいて、びっくりした。声が聞こえなかったから気付けなかった。



