「ね……ねえの続きを言って下さい」


「羽麗と違って、色々お付き合いしてきた男の家に行くってことは覚悟が必要なことが起きるかもしれないってことだよ」


「……か、覚悟!?」


「勉強なんて出来るんだか」


「……」


「ちょっとフリーズしないでよ。からかっただけだから。まあ手も繋いでないっていうなら、大丈夫でしょ……いや。うん。たぶん」


市ノ瀬くんとは、もう少しこのままでいたいと思ってるけど、二人きりになるなら、キスとかしてしまったりするのかな。


「でもうまくいってるみたいで良かったよ。あたしは、どこかで裏稼業を続けたりするんじゃないかって思ったりもしてたから」


「えへ」と笑ってみた。


隼人くんは、また陸上部に顔を出し始めたって、実咲ちゃんから聞いた。


すごく嬉しかったし、頑張ってほしいなって思う。


そして、実咲ちゃんの恋の進展もないみたいで、やっぱりまだそう聞いて、安心している自分がいたりもしてる。


そういうことを考えると、キスはまだしてはいけない気はするんだ。