「バスケの試合?でももう予約しちゃったし、おばあちゃん達楽しみにしてるんだから諦めなさい。なかなか会えないんだし。大体、高校生をひとりで家に残して行けないでしょ」


「じ……じゃあ友達の家に泊まる」


「だーめ。旅行なんて久しぶりなんだから、たまにはママのいうこと聞きなさい」の一言でわたしの言い分はもう聞きませんといった体制を整えたようにドアを閉めた。


ひどい。絶対ママ、わたしに言ってなかったくせに。


というか、買い物だってママに付き合うときだってあるのに、いつも聞き分けないみたいに言って、ずるい。ずるいけど、なんとなく覆せない気がする。


約束破っちゃうの嫌だな。


暗い気持ちでスマホを手にすると、『渡したいのって、なんだろ?すげー気になる!』と、返事がきてた。


今更、言えない。自分から応援に行きたいって言ったのに行けないなんて。


そんなこと言ったら、どう思うんだろう。


ああ、もうママのバカ。