突き当り扉を開けると、非常階段がありそこに腰をかけた。目の前には体育館が見えた。
「すっごいびっくりした」と改めて言う。
わたしから会いに来ることはなかったから当然かもしれない。
「わたしも自分でびっくりした。部活だったよね?ごめんね」
「ううん。それより訊きたいことってなに?」
「あっ……そうだ」
呼び出しただけで満足してはいけない。訊くことくらい、簡単だと自分に言い聞かせた。
「市ノ瀬くんって彼女いるって本当?」
「はっ?」
「告白したら、彼女いるって断られたって子がいるっていうから」
「ああそれか」と大きく息をついた。
「彼女は、今いないよ。だけど、告られて断ってもしつこい子がいてさ、それでそれから断るときは嘘で彼女いるって言ってたんだ」
「……そ……そうだったんだ」と肩の力が抜けた。
「気になったんだ?」
「えっ?」
「俺に彼女いるか」
見つめられて、戸惑う。それはどういう気持ちなんですかと問われているように感じたから。



