男子と会話はできません


席に戻ると、


「市ノ瀬となんかあったの?」


と、訊いてきた。


昨日あった出来事をかいつまんで話すと、杏奈は笑った。


「なんで牛乳かな?」


「怒ってたからじゃない?カルシウム不足だよって遠回しに言われてる感じ?」


「なる程」


「いやいやなる程じゃないから。冗談だし」


と、真顔で言った。


「でもあいつけっこーいい奴だよ。同中だったからわかるけど」


「同中なんだ。そうだよね。いい人じゃなかったら、わざわざ謝りに来ないよね。なんか悪いことしちゃったかな」


「まあ……それだけじゃないと思けど」


「ん?」


「羽麗のこと気になったんじゃないの?じゃなきゃ、ジュース買い直してまた現れますなんて言わないでしょ」と、ニンマリした。ちょっと悪い顔。


「気になるって?」


「可愛いとか付き合あえたらいいなとか思ってるんじゃないかってこと」


だって初対面がボールを投げつけるって、大部印象が悪い。ときめく要素が見当たらない。


勢い余って恋愛スイッチを押してしまったなんて、冗談でもちょっと寒い。