「うん。彼女。それなのに、羽麗に気をもたせるようなこと言ってるの信じられないよね」
「そうなんだ……ありがとう。教えてくれて」
実咲ちゃんは怒っていたけど、わたしはなんとなくやっぱりなって思ってしまったせいか、気が抜けただけだった。なんで怒らないのー?怒っていいんだよなんて口をとがらす。
「モテる人がわたしを好きになるわけないもん。そういう実咲ちゃんは、最近どう?部活とか」
「部活、楽しいよ。先輩もいい人多いし」
「そっか。良かった」
好きな人、できたのかな。
「実咲ちゃん、なんか可愛くなったね」
「えっ?本当に?」
少し訊きたくなった。だけど、次、音楽室だと気付いて踵を返す。
「じゃあ、またね」と行ってしまった。実咲ちゃんの髪は長くても短くてもすごくきれいだ。



