「あ。これほんの気持ちです」と、牛乳を突き出す。
「……」
「あれ?」
その姿勢のまま受け取れないわたしを上目遣いで見た。
「……」
ぶんぶんと横に首を振る。
あ。違う。嘘でもありがとうと言って受け取るのが正解だ。すごく失礼なことしてる。
だけど、市ノ瀬くんはきょとんとした顔でわたしの意思は伝わっていないらしい。
困っていると、後ろから杏奈が来て、「この子、牛乳ダメなんだよ」と、言った。
「まじで?うわ失敗した」と、おでこに手を当て、しまったって顔をする。
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