週末。待ち合わせの駅前で待っていた。


杏奈を誘ったけど、来れなくて迷いながら実咲ちゃんを誘ったら大丈夫と来てくれたんだ。


先に来たのは、わたしと実咲ちゃんで、


「羽麗、市ノ瀬くんと仲良かったのびっくりしたよー。いつから友達なの?」


と、少しはしゃいだ口調で訊かれた。


かいつまんで話すと、


「そんなデートの誘われ方って、市ノ瀬くん絶対、羽麗のことが好きだよね」


と、悟った顔。言いたいことがあるって伝えられたことはなんとなく言わなかった。


「そう……なのかな?」


「そうだよ!えー。でもいいじゃん、市ノ瀬くんかっこいいしさぁ。うん。絶対好きだと思われてるよ」


「でも、なんでわたしなのかわかんない……全然ピンとこないよ?」


「えーっ、羽麗は自分のこといちばんわかってるのって自分だと思ってるの?」


「えっ?」


「自分のいいところって、自分がいちばんわからないと思うよ?
じゃあ今日さ市ノ瀬くんに聞いてごらんよ」


フフンと笑った。