「ほれ、お前の」 「ん、ありがと! これこれ、食べたかったんだよね~」 頼んでおいたパンを渡される。 時々無性に食べたくなる購買のコロッケバーガー。 人気でよく売り切れてるんだけど、今日はあったんだ。 ラッキー。 「それさ、よく売り切れてるよな?」 「そだね」 「俺、食べたことねぇや。 一口くれよ」 「えー、またぁ?」 いいじゃん、な? と手を前で合わせてお願いポーズを取る瀬田に、仕方ないな、とパンの袋を渡す。 ありさはいただきます、と挨拶をして丁寧に箸を取ったところだった。