鈍感ちゃんと意地悪くんの初恋物語

「あ、あの、いいの!
あ、あとね、今日こんな質問わたしがしてたって、誰にも言わないでね……?」

慌てた素振りで手を振って、チャイムの音と共に、彼女は走り去っていった。

「え?
う、うん、いいけど……?」

「こら立花さん!
早く並んで!」

何だったろう、とつっ立っていたあたしに、体育の先生が声をかけた。

「あ、は~い」

慌てて並ぶ私の前の列で、中川さんがひょこっとこちらを向いて合図をくれた。
片手を上げて、ごめんね、と目をつぶっている。