ー季節は6月上旬。
2年生になると、宿泊研修があるらしい。
今年は海らしい。男子達が体を鍛えだした。
「よっしゃー」
「今年こそ彼女作るぞー!!」
「うおーーーー」

(本当…バカだよね…。)

私はため息ばかりするのであった。

ー放課後。倉庫。
「海とかマジで1年ぶり!」
「1年に一度しか夏やって来ないからね」
「たくさん泳ぐぞー!」
「そう言えばかれんは泳げるのか?」
「もちろん!」
「じゃあ、俺と勝負しろ!かれん!」
「ナンパヤローと泳ぐ訳ないじゃん」
「なんだとー!」
「まあまあ、落ち着いて」
「かれんは誰と泳ぎたいの?」

(それ選ばないと行けないの?雫!?)

「どーしよ…(陸を見つめる)」
「ジャンケンで決める」
「は?」
「「望むところだ!」」
陸、ナンパ、雫がジャンケンを始める。

(本当…呆れた。)

ジャンケンの結果、陸と泳ぐことになった。
「陸ずりーし」
「そーだ!そーだ!」
「お前ら妬むな」
「「なんだとー!」」
「2人ともいい加減にしなさい」

バシッバシッ

昌がナンパと雫の頭を叩かれた。
昌の顔を見るとブラック昌が降臨してた。

「「すみません…」」
「陸、かれんから目を離さないでね」
「はい、もちろんです」
「いいな~。かれんのビキニ見られるのか~」
「この変態!って総長!?」
「おう!皆元気だったか?」
いつの間にか総長がここにいた。
実は今までバイクに敵の車が突っ込こんで大怪我されたので入院していたのだ。
「無事でよかったです」
「心配かけて悪かったな、かれん。」
「いえ。」
「それよりもお前ら海に行くんだろ?     …お前らの行く所は潮滝が居る所だ。    くれぐれも天龍とバレないようにしろよ。」
「「はい」」

ー帰り道。
「ねぇ、何で自転車なの」
「仕方ないだろ、修理中なんだから」
「えーまだ戻ってこないの~」
「あのさー、かれん。」
「ん?なにー陸。」
「俺、かれんを守れるか自信ない。      だからいざって時は俺を置いて逃げろ。」
「…そんな事出来ないよ」
「いや、ダメだ」
「出来ない」
「何故だ」
「仲間を置いて逃げるなんて出来る訳ないでしょ。私は闘うわよ。」
「そんなの無茶だ」
「ごちゃごちゃうるさーい!」
「かれん…」
「とにかく私は逃げたりしないから」
「ハハ………俺の負けだよ。かなわないな。」
「よっしゃー」
「ただし、俺から離れるなよ。いいな?」
「分かってるって~♪」
「本当か?」
「大丈夫大丈夫~!」

(陸:本当に分かってるのか…。)