…………
私にはお母さんがいない。
私を生んだら亡くなったらしい。
それからずっとお父さんが家事も洗濯もお世話も全てしてくれていた。
だけど、お父さんは変わってしまった。
ー5年前。
「お前のせいで怒られたじゃねぇか!」
バシッ
「殴らないで。お父さん…」
「うるせぇ!」
バキッ
「いたいよ…お父さん…」
会社のストレスで私のお父さんは最近
殴るようになっていた。
(なんで殴られなきゃいけないの?)
小6の私ではお父さんが殴る理由が
分からなかった。
私が動けなくなるまでひたすら殴ってきた。
小さい私は殴られることしか出来ない。
お父さんが大人しくなると、水を渡してきて、
「大丈夫か?かれん。何かあったのか」
って言われるのだ。
私は驚いて
「お父さん…何も覚えてないの?」
って訪ねた。
「何のことだ?」
まるで別人のように私に優しいお父さん。
変だなって感じたけど、きっと気まぐれなんだって思っていたんだ。
一週間後の朝。私は風邪をひいてしまった。
お父さんは病院に連れて行ってくれなかった。
(また気まぐれなんだよね…)
そう思ってたから、私はベットで寝ていた。
するとお父さんが中に入ってきて、
「学校を休んで何やってんだ!」
バキッ
私は殴られてベットから落ちた。
「ね、熱があるの…」
必死でしがみついてお父さんに訴えかけたけど
「言い訳するな!」
ドスッ
ズキッ
病人の私にみぞうちを殴った。
ただえさえ熱でフラフラなのに、
容赦なく殴ってくるお父さん。
涙と熱であたりがボヤボヤした。
(なんで…こんなことするの?)
ズキッ
この言葉が頭でぐるぐると回った。
私は力尽きて倒れてしまった。
だけど襟元を掴まれて、私の顔を殴り続けた。
その時雫のお母さんがやって来て、
「何してるの!止めなさい!」
って私のからだを抱き寄せた。
「こいつが学校サボってるから
しつけてたんだよ!邪魔すんな!」
「何言ってのよ!かれんは熱があるのよ!
こんな小さい子にあんた何してんのよ!」
「うるせぇな。お前が口出すんじゃねぇ!」
バキッ
お父さんは雫のお母さんを殴った。
ズキッ
私は最後の力を振り絞ってお父さんの足にまたしがみついた。
「おばさんを殴らないで」
「どけっ!」
ドンッ
私は思いっきり壁に蹴飛ばされる。
「かれん!」
ズキッ
おばさんが寄ってきたけど、
頭がボーッとしてな何も考えられない。
「かれん。しっかりして!」
「かれんに触ってんじゃねぇ!」
バキッ
ズキッ
またおばさんを殴った。
その光景をただみつめるしか出来ない。
私の涙は止まることを知らない。
そしてそのまま私は力尽きた。
そのあと近所の人が駆けつけたらしく、
私はおばさんと一緒に病院に向かったみたい。
目が覚めたときにおばさんの顔が見えた。
「かれん。なんで言ってくれなかったの?
おばさん吃驚しちゃったわよ。」
「おばさん。ごめんなさい。」
「いいのよ、かれん。よくここまで耐えたわ」
私はおばさんに抱き締められた。
しばらくして私は
「…お父さんは?」
っておばさんに訪ねた。
「…うん。どっかに行っちゃったわ。
多分、二度と戻ってこないと思う。」
と言われた瞬間、私は涙があふれた。
「おとーさーん…ヒック…ウエーン」
「かれん…ごめんね。ごめんね。」
おばさんに頭撫でられたけど、私の心は
ぽっかり穴が開いたようだった。
それから二週間。お父さんは二度と家に
戻ってくることはなかった。
ズキッ
「おとーさーん…」
私は学校にも行かなくなった。
ひたすらお父さんの帰りを待っていた。
だけどお父さんは帰ってこない。
(お父さんは私のこと嫌いになったの?)
ズキッ
(私はいらない子なの?)
ズキッ
(私は…いらない存在なんだ…!)
ズキッ
(嫌だ!お父さん!お父さん!お父さん!)
ズキッ
私は家を飛び出して、ある公園に向かった。
その公園はお父さんによく遊んで貰った
思い出の場所。
あの頃のお父さんは優しくて私はとても
大好きだった。
私は公園にたどり着くと、
「おとーさーん!おとーさーん!」
声がかれるまで私はお父さんと叫び続けた。
(なんでいなくなっちゃったの?)
ズキッ
「お父さん!お父さん!お父さーん!」
ズキッ
二時間経っても三時間たっても現れない。
私はずっとそこでお父さんを探し続けていた。
夕方頃、おばさんがやってきて
「かれん。いったん家においで。ね?」
って言われたけど、幼いながら私は
「お父さんをここで待ちます」
って遠慮した。
「辛いのは分かるけど、もう暗いし。おいで」
ズキッ
「いや。」
「かれん」
「お父さんきっと道に迷ってるんだよ! だから私がここで探すの!」
「かれん…」
「お願い」
「わかった。もう少しだけ捜しましょう。」
「やったー」
それからおばさんと暗くなるまで探し続けた。
結局、お父さんは見つからなかった。
「かれん。大丈夫よ。」
おばさんは優しかった。
「おばさん。ありがとう」
「また明日も捜そうね。」
「うん!」
この日の夜はおばさんの家に泊まった。
それからと言うものお父さんは姿を現さない。
私はどんどん希望をなくしていった。
そしてついに私は家出をした。
お世話になったおばさんの家に顔を出して、
雫にも声かけて。
私は外の世界へと走り出したのだ。
(お父さんは私をおいてったんだ。)
(私のこと嫌いなんだ。)
(だから帰ってこないんだ。)
(お父さんなんか大っ嫌いだ!)
私は心変わりしてしまったのかもしれない。
あの日がたまによみがえってくる。
夜何度もうなされた。
寝れない夜が続いて、夜が大嫌いになった。
外にでても、怖い人ばかり。
(誰にも必要もされてないんだ。)
私はどん底に落ちていった。
私にはお母さんがいない。
私を生んだら亡くなったらしい。
それからずっとお父さんが家事も洗濯もお世話も全てしてくれていた。
だけど、お父さんは変わってしまった。
ー5年前。
「お前のせいで怒られたじゃねぇか!」
バシッ
「殴らないで。お父さん…」
「うるせぇ!」
バキッ
「いたいよ…お父さん…」
会社のストレスで私のお父さんは最近
殴るようになっていた。
(なんで殴られなきゃいけないの?)
小6の私ではお父さんが殴る理由が
分からなかった。
私が動けなくなるまでひたすら殴ってきた。
小さい私は殴られることしか出来ない。
お父さんが大人しくなると、水を渡してきて、
「大丈夫か?かれん。何かあったのか」
って言われるのだ。
私は驚いて
「お父さん…何も覚えてないの?」
って訪ねた。
「何のことだ?」
まるで別人のように私に優しいお父さん。
変だなって感じたけど、きっと気まぐれなんだって思っていたんだ。
一週間後の朝。私は風邪をひいてしまった。
お父さんは病院に連れて行ってくれなかった。
(また気まぐれなんだよね…)
そう思ってたから、私はベットで寝ていた。
するとお父さんが中に入ってきて、
「学校を休んで何やってんだ!」
バキッ
私は殴られてベットから落ちた。
「ね、熱があるの…」
必死でしがみついてお父さんに訴えかけたけど
「言い訳するな!」
ドスッ
ズキッ
病人の私にみぞうちを殴った。
ただえさえ熱でフラフラなのに、
容赦なく殴ってくるお父さん。
涙と熱であたりがボヤボヤした。
(なんで…こんなことするの?)
ズキッ
この言葉が頭でぐるぐると回った。
私は力尽きて倒れてしまった。
だけど襟元を掴まれて、私の顔を殴り続けた。
その時雫のお母さんがやって来て、
「何してるの!止めなさい!」
って私のからだを抱き寄せた。
「こいつが学校サボってるから
しつけてたんだよ!邪魔すんな!」
「何言ってのよ!かれんは熱があるのよ!
こんな小さい子にあんた何してんのよ!」
「うるせぇな。お前が口出すんじゃねぇ!」
バキッ
お父さんは雫のお母さんを殴った。
ズキッ
私は最後の力を振り絞ってお父さんの足にまたしがみついた。
「おばさんを殴らないで」
「どけっ!」
ドンッ
私は思いっきり壁に蹴飛ばされる。
「かれん!」
ズキッ
おばさんが寄ってきたけど、
頭がボーッとしてな何も考えられない。
「かれん。しっかりして!」
「かれんに触ってんじゃねぇ!」
バキッ
ズキッ
またおばさんを殴った。
その光景をただみつめるしか出来ない。
私の涙は止まることを知らない。
そしてそのまま私は力尽きた。
そのあと近所の人が駆けつけたらしく、
私はおばさんと一緒に病院に向かったみたい。
目が覚めたときにおばさんの顔が見えた。
「かれん。なんで言ってくれなかったの?
おばさん吃驚しちゃったわよ。」
「おばさん。ごめんなさい。」
「いいのよ、かれん。よくここまで耐えたわ」
私はおばさんに抱き締められた。
しばらくして私は
「…お父さんは?」
っておばさんに訪ねた。
「…うん。どっかに行っちゃったわ。
多分、二度と戻ってこないと思う。」
と言われた瞬間、私は涙があふれた。
「おとーさーん…ヒック…ウエーン」
「かれん…ごめんね。ごめんね。」
おばさんに頭撫でられたけど、私の心は
ぽっかり穴が開いたようだった。
それから二週間。お父さんは二度と家に
戻ってくることはなかった。
ズキッ
「おとーさーん…」
私は学校にも行かなくなった。
ひたすらお父さんの帰りを待っていた。
だけどお父さんは帰ってこない。
(お父さんは私のこと嫌いになったの?)
ズキッ
(私はいらない子なの?)
ズキッ
(私は…いらない存在なんだ…!)
ズキッ
(嫌だ!お父さん!お父さん!お父さん!)
ズキッ
私は家を飛び出して、ある公園に向かった。
その公園はお父さんによく遊んで貰った
思い出の場所。
あの頃のお父さんは優しくて私はとても
大好きだった。
私は公園にたどり着くと、
「おとーさーん!おとーさーん!」
声がかれるまで私はお父さんと叫び続けた。
(なんでいなくなっちゃったの?)
ズキッ
「お父さん!お父さん!お父さーん!」
ズキッ
二時間経っても三時間たっても現れない。
私はずっとそこでお父さんを探し続けていた。
夕方頃、おばさんがやってきて
「かれん。いったん家においで。ね?」
って言われたけど、幼いながら私は
「お父さんをここで待ちます」
って遠慮した。
「辛いのは分かるけど、もう暗いし。おいで」
ズキッ
「いや。」
「かれん」
「お父さんきっと道に迷ってるんだよ! だから私がここで探すの!」
「かれん…」
「お願い」
「わかった。もう少しだけ捜しましょう。」
「やったー」
それからおばさんと暗くなるまで探し続けた。
結局、お父さんは見つからなかった。
「かれん。大丈夫よ。」
おばさんは優しかった。
「おばさん。ありがとう」
「また明日も捜そうね。」
「うん!」
この日の夜はおばさんの家に泊まった。
それからと言うものお父さんは姿を現さない。
私はどんどん希望をなくしていった。
そしてついに私は家出をした。
お世話になったおばさんの家に顔を出して、
雫にも声かけて。
私は外の世界へと走り出したのだ。
(お父さんは私をおいてったんだ。)
(私のこと嫌いなんだ。)
(だから帰ってこないんだ。)
(お父さんなんか大っ嫌いだ!)
私は心変わりしてしまったのかもしれない。
あの日がたまによみがえってくる。
夜何度もうなされた。
寝れない夜が続いて、夜が大嫌いになった。
外にでても、怖い人ばかり。
(誰にも必要もされてないんだ。)
私はどん底に落ちていった。

