「こちらのフューチャーホールは、二階堂家自宅の約4分の1ほどの面積を示しています。また、フューチャーホールは、由来様のお祖父様である、二階堂高貴様が政府に要請し、約365億円をかけて造られたものです。
また、フューチャーホールの意味とは、代々続く名門二階堂家をずっと先の未来へ繋ごうと、フューチャーホールと言う名前が付きました。」
二階堂家って、すごすぎかも。
私立鳳学園は、学費が高いからほとんどが名門一族。
私も、お母様が私立椚学園の理事長の役職で、お父様が実業家なので、ある程度立派な御屋敷には住んでいるけど、二階堂家に比べたらフューチャーホール1個分位の大きさしかない。
だって、私の屋敷のめしつかいは250人。
二階堂家の屋敷のめしつかいは650人。2倍以上だ。
フューチャーホールは、執事のブルートゥースが言った通り、とても広かった。真ん中には美しい宝石、丸いホールの円を書くように屋根つきベッドが900個ほど並んでいる。
天井の窓は、開閉式で都会なのに綺麗な星が見える。
「やあ、中学生の皆さん、今日はお忙しい中、我フューチャーホールで行われる、中学生限定パーティーにお越し下さいまして、誠にありがとうございます!」
由来君の挨拶。
中学1年生なのに大人のような挨拶だ。
あれ?そういえば梨花と龍人君がいない。
気になって由来君に聞いてみた。
「龍人は、旅行の用事と重なって、梨花ちゃんはお婆様の法事 で来れなくなった。」
あの二人、いないのかぁ…ってことは、由来君と二人きり!?
やったー!
「では続いて、交響曲第128番より、ワルツを踊ります。」
めしつかいで司会進行役のバイオレットがそういった。
「優理花ちゃん、一緒に踊って。」
「はい」
踊っていると、突然由来君が、
「優理花ちゃん、君の20歳の誕生日に、僕と同じ苗字、二階堂をプレゼントするよ」
これってプロポーズ?私は動揺した。
「あの、私も由来君のこと、気がついたら好きになってた。だから、まずは付き合ってください。」
私の言葉に、由来君がゆっくりうなずいた。
「梨花と龍人君には内緒だよ」
私と由来君は指切りをした。
「素晴らしい、中学生に乾杯!」
由来君が言った。
「かんぱーい!」
私は誰よりも大きい声でそう言った。