コツ、コツ、と、先生が黒板に何かをかく音がする。
「はい、私の名前は尾崎愛結花(おざきあゆか)です。
一年間、宜しくお願いします!」
担任の先生は社会担当の尾崎先生。
優しそうな先生で私はほっとする。
「では皆さん、今日はここで終りにしましょう‼
また明日!」
先生の声が教室中に響く。
「さようなら!」
と、みんなの声。
この一年、楽しく過ごせればいいな‼
「ねえ、これからヒマ?
俺、天崎龍人(あまざきりゅうじ)な。
優理花ちゃんと梨花ちゃんだっけ?
俺の友達の二階堂由来(にかいどうゆら)も誘うから、一緒に遊びに行こうぜ‼」
「え、あの、えーと...」
私が戸惑っていると、梨花がすかさず、
「勿論行くよー!お誘いありがとー!!!」
と、言った。
「私、こういう合コン的なやつ苦手!」
こそこそ梨花に耳打ち。
「私の後に着いてれば大丈夫!」
またまた梨花が私に耳打ち。
「あ、はい、えーと、じゃあ宜しくお願いします!」
私は威厳ある声でそういった。
「よーし!決定じゃん!じゃあとりあえず、鳳駅前のクラシックカフェ、レミアージュに行こう‼あそこさーカップルがいっぱいいるんだよ!」
「よーし!いっくぞー!誰が一番か競争だーい!」
梨花がそういうと、みんなが一斉に走り出した。