例えば、常にハイテンションでコイツとはまともな話が出来ないなってヤツだったり、頭がカラッポなヤツだったり、恋愛している自分に酔ってしまう恋愛体質な女だったり。


前から苦手だとは思っていたけれど最近その意識をさらに高めている。



あいつのせいで。






「あ、北条くん昨日ぶりー」




ドアがガラガラと音をたてたのと同時に聞こえた声に、俺はいつもの様に分かりやすく顔をしかめた。
 

けれどその声の主はそんなことには気付きもせず……いや、気付いていても気にしていないのかもしれない。そのまま俺の近寄るそのまま漫画だったならば可愛らしい擬音がつきそうな笑顔と足取りでこちらへと近付いてきた。

そしてそのまま俺の横のイスへと腰かける。



「掃除当番だったんだー。疲れちゃったー」

「なんなら疲れたついでにそのまま帰ってもよかったけど」

「え? そんなー。そしたら北条くんに会えなくなっちゃうよー」


そう言って彼女はニッコリ微笑む。