なんで?どうして?
私たちはなにも悪くないのに。



崖の上から私とりぃちゃんの背中が強く押され、体が空中に飛び出だとき、私はそんなことを考えていた。

突然の浮遊感に頭が追いつかない。
なぜかそのときすべてがスローモーションのように見えた。


私を助けようと、私の腕を掴む天くん。

「天くんだめ!はな…」


その瞬間

「きゃぁぁぁぁぁぁああああああ」


スローモーションなんて嘘。
急に現実に引き戻される。
重力に従い、勢いよく落ちていく私の体。



だん!!!!!
全身が痺れるような痛み。

「うっ」


そのまま私は気を失った。