だけど、全然解決していなかった。
恨みだけが増幅しただけだった。
スキー研修の自由時間。
木村栄子ら5人は、真白と梨華を崖から突き落とした。
そしてそれを助けようとした俺らも一緒に落ちたんだ。
「ごめん、ごめん真白…!
なんで俺は忘れていたんだ!?本当にごめん…」
涙は全然止まってくれない。
なぁ未羽。やっぱり君は真白だったんだ。
俺の愛している人だったんだ。
「…天くん…」
真白は切なそうに俺を見つめる。
「真白っ…」 「真白…!!」
駿と梨華も思い出したようだった。
「りぃちゃん…駿くん…」
このレイとかいうやつが何者か全然わからない。でもそれどころじゃない。
「やっと思い出したみたいだね〜」
レイがクスッと笑う。
「…なぁ、俺たちはこの崖から落ちた後、どうなったんだ?」
駿がレイに問う。
「んー、どこから説明していいのやら。
まぁまず、この未羽こと真白ちゃんは未来から来たんだ。」
「「「…はぁ!?」」」
…未来!?
そんなことがありえるのか!?
「この崖から落ちて植物状態になってしまった3人を救うためにね。」
「植物…状態…」
「そ。真白ちゃんだけが意識を取り戻したんだ。天くんが下敷きになってくれたみたいだね。
だけど自分だけが意識を取り戻した真白ちゃんは、激しく自分を恨んだ。
…なんで自分だけが助かるのかってね。
その恨みが僕を呼んだんだよ。」
「…恨みが呼んだ…?」
レイはクスッと笑って言った。
「僕は悪魔だよ」
