「あー、もうまどろっこしい」

!?!?!?
突然現れたのは、全身黒い服を着た、銀髪の男だった。


肌が白く、とても綺麗な顔立ちをしている。

…それよりこいつ、どこから現れた?

「あなた誰!?」
俺たちがその男の存在に戸惑っていると


「…レイ。口出ししないでって言ったでしょ?」
ため息を吐きながら未羽が言う。

…未羽の知り合い?

「だぁぁって、まどろっこしいんだもん。お前もあと30分で消えるんだし、こいつらも忘れるんだし、最後くらい真実教えてやろーぜ。」

レイと呼ばれる男はペラペラとしゃべりだす。

「…待て。未羽があと30分で消えるって本当か!?俺らが忘れるって何を!?」

俺が聞くと、レイはフッと笑い、

「すべて忘れちゃうんだよ。でもその前にすべて思い出しなよ」

と言って俺の頭を触った。




…レイに触れられた瞬間に涙が出た。


俺はどうしてこんなにも愛しい人を忘れることができたのだろう。


最愛の人を。


「…真白」